尾崎放哉
尾崎放哉
さうだ昨年であつたか、或晩、十一時も既に打つてしまつたので、門衛君が今や門を閉ぢようとした時、ヒヨロリ/\と帰つて来たのが、生徒の奴さ、イキナリ「ヤイ門衛、俺の名を消せ、ケケケ消さぬか、野郎!」、門衛の、其のテカ/\した頭を、ポカリと御見舞申さうとした時、又、やつて来たのが一人の生徒さ。これは酒に酔つて居ないと見えて「ヤイ、待て/\、何だ」と、酔つて居た奴を抑へると、「放せ、放せつたら放せ、門衛の奴、自治の何たるかを解せない、見ろ、俺の名を消さんとぬかすのだ。かるが故に、一本ポカリと」、「まー待て、そりや