尾崎放哉
尾崎放哉
君は、酒の嗜好を奪へば、他の危険なる嗜好に走ると云ふけれ共、元来、酒を呑まぬ者はどうする。況んや、酒が、吾々の身体、脳力、理性、品格等に及ぼす大害に至つては、到底、容易(たやす)く云ふを得ない。近くばストームを見よ、などと、我輩を攻撃するかも知れないが、我輩は尚、君等の説に、賛成する事は出来ない。酒を呑まぬ人間とは、即酒を呑んでも呑めない、遂に酒の味を解する事が出来ない人間であるから、こんな人間は、酒に付て、かれこれ云ふ資格の無い者である。盲目は遂に向島の桜を語る可からずだ。一寸、云つて置きたいのは、酒を