俺の記2

尾崎放哉

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俺の記2 10

尾崎放哉

 が、皆思ひ合した様に黙つて居て、何とも云ふ奴はない。こんな話しを聞いたり、聞かされたりして居て、此の暗い部屋の中に、二週間位も居たであらう。すると或日、小使がやつて来て、皆を連れて、怪我を治しに連れて行つてくれた。二三日もして、怪我も全快したので、又、寮へ帰つて、職務につく事になつた。
 思ひ起せば、この事があつたのは丁度三年前、それから、二度冬を越して、又、二度春を向へたが、其間、或は、東寮に居つた事もあるし、南寮に居た事もある。小使部屋にも居つた。怪我も五六度やつた。が、まだ、人の死ぬる処は見た事